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マレーシアの民話 「サンカンチル」 Part 2
- 2006/10/10(Tue) -
サンカンチルのおとぎ話は、何百年もの間 「Hikayat Pelandok Jinaka」 という題名で語り継がれてきました。
語り継がれて行くうちに、サンカンチルの描かれ方も段々変化しています。

最初の頃のサンカンチルは、狂暴な猛獣に、頭の良さと 抜け目なさを発揮するいたずら者、ペテン師、異教徒の悪党、こそ泥 といった存在でした。
昨日お話した、サンブアヤ・ワニの頭を踏みつけて 川を渡ったサンカンチルが、そのいい例です。

面白い事に、サンカンチルが いつも弱者というわけではありません。サンカンチルよりもっと弱い動物にしてやられる といった話も幾つかあります。

サンカンチルはその抜け目なさで 危機を乗り越えますが、ほとんどの場合、強い猛獣を退治したりすることはありません。
また 猛獣をやっつけようなどとは 少しも思っていないようです。
彼らを からかうだけで 満足しています。

この頃の物語の中のサンカンチルは、決して正義の味方ではありませんが、何かしら 憎めない魅力を持っています。
そんなサンカンチルも、人のために その機知を利用する、正義感あふれるネズミジカへと進化していきました。

サンカンチルは、喧嘩や揉め事の仲裁役や、王様を味方につけた動物のチャンピョンといったヒーロー的存在になっていきました。

また物語には イスラムの要素が混じるようになり、サンカンチルは ソロモンの家来として 描かれるようになりました。
この頃から サンカンチルには 魔力がそなわるようになりました。







今日は、正義の味方になったサンカンチルのお話です;

ある日、スライマン王様の宮殿に 一人の商人が陳情にやってきました。
その商人は 二人の男の子を連れていました。

聞けば その二人は孤児で、その商人の店の台所で 暮らしているとのことです。
その二人の孤児に ご飯をあげたりはしなかったのですが、台所には お店で出す料理のいい匂いが いっぱい溢れていました。
二人は その匂いで丸々と太ったと商人は言うのです。

確かに 二人は健康そうに見えました。
二人が 今まで寝泊りしていた台所から 立ち去ろうとしていることを知り、 商人は二人を太らせてきた料理の匂い代を請求しようと、王様の所に相談に来たのでした。

それを聞いた スライマン王様は、困ってしまいました。
どうやって、この商人の申立を 解決してよいかわからなかったのです。

王様は 家来達に聞きましたが、誰も答えられる者は いません。
そこで 王様は 森の賢い裁判官、サンカンチルを 宮殿に呼び出しました。

サンカンチルは 商人の申立を聞いて ゲラゲラ笑い出しました。
そして 王様に言いました。

「商人が欲しいと言っているお金を私に貸してください。 そうしたら、この問題はすぐに解決します。」
サンカンチルは、この問題が解決したら 直ぐにそのお金は王様に返すと断言しました。
商人は 1,000リアル欲しい と言っていました。
王様は そのお金をサンカンチルに渡しました。

森の裁判官・サンカンチルと商人は、お金の入った袋を抱えて 皆から見えないカーテンの後ろ側に行きました。

サンカンチルは 商人にお金を数えるように 言いました。
「さぁ、コインを一つずつこの銀のお盆に落としながら 数えなさい。」
カーテンの向こう側では、お金がお盆に落ちる音を 皆が聞いていました。

商人がお金を数え終わると、サンカンチルはお金を袋に戻し、王様の所へ持っていきました。
「この問題は 解決しました。もう二人の孤児には この商人にお金を返す義務はありません。」 

スライマン王様は、どうしてお金を返す必要がないのか、サンカンチルに聞きました。

するとサンカンチルは、 「この商人は 1000リヤルを自分の目で確かめて、自分でお金を数えて、銀のお盆にお金が落ちる音を聞いて、1000リヤル分 お金持ちになりました。 孤児たちは 料理を食べたわけではなく、匂いを嗅いだだけです。 だから商人も1000リヤル分のお金を手に入れるのではなく、数える音を聞くだけで充分なのです。」 と言いました。

王様や家来達は、素晴らしく賢明な裁定だとサンカンチルを褒めました。
商人は サンカンチルの判決に何の反論も出来ず、スゴスゴと帰って行きました。



このお話を書いていて (作ったのではなく訳しただけ)、「ユダヤの商人」を思い出しました。
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コメント
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ペガサスさん
ハイ、Dorothyさんが遊びに来てくれました!
これから、ペガサス門下生のワをどんどん広げますよ~!v-221請うご期待。

ドラだよサン
はい、サンカンチルはマラッカ王国の始まりに深~いかかわりがあります。
残念ながら、「ソロモンの家来バージョン」「サンカンチル魔術師バージョン」は見つけられませんでした。でも「現代版サンカンチル物語」を見つけました。読んでみてくださいね。
2006/10/11 04:11  | URL | 暇人主婦 #-[ 編集] |  ▲ top

-大岡裁きにも似た快感!-
そうだよね。こうでなくちゃ。サンカンチルはあたかも「創世神話」の主人公ですね・これほどバラエティーに富んだ登場の仕方は。
探せば、もっとあるかもしれませんね。下手をすると国つくりに一役かっていたりして。
今日は安心して過ごせます・続々編期待!
2006/10/10 11:35  | URL | ドラだよ #-[ 編集] |  ▲ top

-ユダヤの商人-
うんうん、これとよく似たお話を読んだことがあると思ってたら、ユダヤの商人でしたかー(すっかり忘れてる。ボケ入ってますから 笑)
サンカンチルさん、なかなか賢い大岡裁きですね。
強欲な商人も、一本、取られましたねv-221

あ、、ドロシーさんが・・
2006/10/10 10:56  | URL | ペガサス #g7r.6ZAU[ 編集] |  ▲ top

-はじめまして・・-
ペガサスししょうのところから来てくださいましたよね、以前。
こちらに伺わせていただくのが大変遅くなりました。
沢山の興味深い情報満載ですね。
後でゆっくり読ませていただきます。
これからもどうぞよろしく。
2006/10/10 10:00  | URL | Dorothy #-[ 編集] |  ▲ top


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